‘極端な断食をせずに’オートファジーを高める5つの方法。
このところずっと、断食することで得られる魅力的なメリットについて書いていますが。今回は「きつい断食をしなくてもオートファジーを促進させることってできないの?」と思っている人のために役立つ、ヒント的な情報をお届けしたいと思います。
とはいえ、一年に一度だけでも「3日間断食」を‘正しいやりかたで’ちゃんとやるだけで、その後の30年が全く違ったものになるという説もあるので、1ヶ月に1回ぐらい、あるいは季節ごとに、つまり年4回ほどは、やっておいても損はないと思います。
(★今回のねた元は こちら )
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もしあなたが、「がんからの生還者である」、あるいは「将来がんになるのを避けたい」と思っているなら、この動画はぜひ見逃さないでください。
すでにご存じかもしれませんが、私たちの体には「細胞を修復するための生まれつき備わったシステム」があります。そしてこれは、がんを予防したり、再発を防いだりするうえで非常に重要です。
この驚くべき仕組みは「オートファジー(自食作用)」と呼ばれています。
オートファジーとは、「がんになる可能性のある損傷した細胞や危険な細胞を、がん化する前に体が取り除く仕組み」のことです。オートファジーは、実は体の中で常に、ある程度は働いています。しかし、これをさらに活性化させる方法があり、それによってがんと闘うチャンスをより高めることができるのです。
オートファジーについて知っている方なら、「断食(ファスティング)が最も効果的な活性化方法の一つ」だと聞いたことがあるでしょう。そしてそれは事実です。ただし、断食だけが唯一の方法ではありません。
そこで今日は、「断食以外でオートファジーを促進し、体が本来の働きを始めてがん細胞を排除するのを助ける5つの戦略」をご紹介します。なお、5つ目の戦略は少し議論を呼ぶ内容なので、最後に取っておきます。
ではいきましょう。
♦戦略その1♦ 《細胞を‘だまして’オートファジーを始動させる食品を食べる》
特定の食品には、断食と似た効果をもたらすものがあります。それらは、長寿や修復に関わる同じ経路を活性化するためです。
つまりどういうことかというと、これらの食品は、体を「エネルギーが少ない状態」だと錯覚させるのです。これは、断食中に起こる状態と似ており、「回復モード(ヒーリングモード)」とも呼ばれます。
では、何を食べればいいのかというと――
1.ターメリック(ウコン)またはクルクミン
ターメリックは炎症を抑えることで知られていますよね。しかしそれだけでなく、複数の研究でオートファジーを引き起こすことが示されています。つまり、これはがん予防において二重のメリットがあるということです。私はほぼ毎日、ターメリックラテを飲んでいます。
2.緑茶
緑茶には EGCG(エピガロカテキンガレート)という成分が含まれています。これは、地球上で最も研究されているポリフェノールの一つです。緑茶は、オートファジーを活性化するだけでなく、酸化ストレスから細胞を守る働きもあります。しかも安価で、作るのも簡単で、非常に効果的です。
3.ブルーベリー、ぶどう、ダークチョコレート
このおいしい3つの食品には、何が共通していると思いますか?
それらはすべて、「レスベラトロール」という成分を豊富に含んでいます。レスベラトロールは、寿命を延ばす作用で知られている化合物ですが、それだけでなく、オートファジーに関わる遺伝子をオンにする働きもあります。さらに、ブルーベリーは代表的ながん予防食品の一つでもあります。そのため、毎日ひとつかみ程度を目安に食べるようにしてみてください。
4.熟成チーズ、きのこ類、豆類
これらにはすべて、「スペルミジン」という成分が含まれています。名前はちょっと変ですが、効果はとても強力です。研究によると、スペルミジンはオートファジーを始動させ、炎症を抑え、さらには心血管疾患の改善にも役立つことが示されています。たとえば、サンドイッチに熟成チェダーチーズを加えてみたり、夕食に炒めたきのこを取り入れたり、週末にレンズ豆のスープを作ってみるのもいいでしょう。
できれば、今ご紹介したこれらすべての食品を、1週間の食事にうまく取り入れてみてください。朝には緑茶、昼食にはブルーベリー、デザートにはターメリックラテといったようにです。こうした毎日の小さな選択の積み重ねが、細胞レベルでの大きな変化につながっていきます。
♦戦略その2♦ 《時間制限付きの食事》
さて、オートファジーを引き起こす2つ目の戦略は、時間制限付き食事です。聞いたことがあるかもしれませんが、オートファジーを活性化するために、24時間以上の断食をする必要はありません。確かに、長時間の断食を行えば、より強力なオートファジー状態に入ることはできます。しかし、12〜14時間何も食べないだけでも、十分に効果があります。たとえば、夜7時までに夕食を終え、翌朝9時まで何も食べなければ、それだけで14時間の断食になります。
食事をやめてからわずか4時間後には、体内の血糖値が下がり始めます。そして、食後に少し歩くことができれば、その変化はさらに早く起こります。
もし、12〜14時間何も食べないのがきついと感じる場合は、1日の総摂取カロリーを減らすという方法も試すことができます。この方法でも、低いレベルではありますがオートファジーを活性化することが可能です。特に、肝臓と胸腺で効果が見られます。この2つの臓器は、免疫力を強く保ち、がんを遠ざけるために非常に重要な役割を担っています。
カロリー制限の方法としてよく知られているのが、「5:2メソッド」です。これは、1週間のうち5日は通常通り食事をし、残りの「連続しない2日間」は、摂取カロリーをおよそ500〜600キロカロリーに抑えるというやり方です。
もう一つの選択肢として、低糖質食があります。ただし、かなり糖質を抑えるタイプ、たとえばケトジェニック(ケト)ダイエットです。ケトダイエットでは、体がケトーシス状態に入ります。研究によると、体がケトン体を作り始めると、オートファジーも同時に増加することがわかっています。
ここで、一つ大事なことを伝えておきたいと思います。
がんに打ち勝つため、あるいは予防するために、極端な食事制限をしなければならない――そんなふうに思わないでください。
私は、最新の科学に基づいたさまざまな選択肢を紹介していますが、正直なところ、自然な食材(ホールフード)を増やし、砂糖の多い加工食品を減らすことに意識を向けるだけでも、それだけでがんのリスクは大きく下げることができます。
さて、ここからご紹介する次の3つの戦略は、「食事とはまったく関係ありません。」
♦戦略その3♦ 《運動の三タイプ》
そのひとつとなるのが「運動」です。ただし、「少し自分を追い込むくらいの運動」であることがポイントです。
断食をせずにオートファジーを活性化したい場合、「運動は最も強力な手段」になります。それに、運動のメリットはそれだけではありません。体は強くなり、頭は冴え、睡眠の質も良くなる。本当に、挙げ始めたらきりがないのです。
運動は、「筋肉の細胞だけでなく、肝臓の細胞、膵臓の細胞、さらには脳の細胞にまでオートファジーを活性化」させます。これは本当にすごいことです。
ただし、どんな運動でも効果があるわけではありません。大切なのは、体に「良い意味でのストレス」を少し与えることです。ウェイトトレーニング、短距離ダッシュ、階段の上り下りなど、「自分のコンフォートゾーン(楽な範囲)を少し超える動き」をすると、細胞の中で「一時的なエネルギー不足の状態」が起こります。
すると体は、そのストレスに反応して、「傷ついた細胞の部品を掃除し、より強くなるためにオートファジーを活性化」させるのです。
だから、たとえばジムで、スマホを見ながらごく低強度の有酸素運動をしている人を見かけることがありますよね。もちろん、ソファに座りっぱなしでいるよりはずっと良いのですが、細胞レベルでは、「ほとんど効果がありません。」
そこで、オートファジーを活性化するために「特におすすめの運動を3つ」ご紹介します。
1つ目は、高強度インターバルトレーニング(HIIT)です。
これは、「短時間の強い運動と、短い回復時間を交互に繰り返す運動」のことです。たとえば、30秒間全力で走り、次の30秒は休む、または歩く。これを繰り返します。この方法によって、体は筋肉に蓄えられているグリコーゲンを使い切り、脂肪を燃焼し、オートファジーが活性化されるモードへと切り替わります。また、血糖値が高いと言われたことがある方、糖尿病や糖尿病予備軍と診断された方にとっても、HIITはインスリン感受性を改善する助けになります。
2つ目の運動は、レジスタンストレーニング(筋力トレーニング)です。
ダンベルを持ち上げたり、腕立て伏せやスクワットのような「自重トレーニング」を行うと、筋肉には「コントロールされたストレス」がかかります。このストレスによって、筋繊維にはごく小さな傷(微細な断裂)が生じます。一見、悪いことのように聞こえるかもしれませんが、「実はこれは良いこと」です。
体はそれに反応して、「筋肉をより強くするために組織を修復」します。そしてこの修復の過程で、オートファジーが活性化されます。つまり、週に数回の筋トレは、筋肉をつけるだけではありません。オートファジーを促進し、慢性的な炎症を抑える効果もあるのです。私たちは、「がん細胞が炎症のある環境を好む」ことを知っています。だからこそ、これは健康にとって非常に大きなメリットです。
それに、ボディビルダーになる必要はまったくありません。テレビを見ながらダンベルを持つだけでもいいですし、歯を磨きながらスクワットをするのも立派な運動です。理想的には、「1回20〜30分を週に少なくとも3回行う」のが目標ですが、10分程度の運動を、ちょこちょこ行うだけでも、それらはすべて積み重なって、確実に効果になります。
そして3つ目の運動は、「ゾーン2有酸素運動」または「定常状態トレーニング」と呼ばれるものです。
これは、比較的低強度の有酸素運動で、たとえば少し早歩きで歩く、または会話はできるけれど、心臓がしっかり働いているのを感じるペースでジョギングするといった運動です。
この運動は、細胞内のミトコンドリアをサポートし、炎症を抑え、脂肪を燃焼させるのに非常に効果的です。さらに、もし可能であれば、朝起きてすぐ、朝食をとる前にゾーン2有酸素運動を行うことで、オートファジーはさらに強く活性化されます。空腹状態での運動は本当に素晴らしいのです。このとき体は、インスリンが最も低く、脂肪代謝が最も高い状態にあります。これは、理想的な条件と言えます。
ここまでお話ししてきたことを踏まえると、運動をやりすぎたり、強度が高すぎたりすると、実は逆効果になることもあります。それによって、炎症が増えたり、オートファジーが抑えられてしまうことがあるのです。
ただし、これは回復の時間をしっかり取ることで防ぐことができます。十分な睡眠をとること、水分補給を怠らないこと、そして休養日を設けることは、オートファジーのプロセスにおいて非常に重要な要素です。そして、ここから4つ目の戦略につながります。
♦戦略その4♦ 《深く質の高い睡眠=細胞の修復》
睡眠中こそ、オートファジーは最も活発に働きます。眠っている間、脳と体は完全な修復モードに入ります。まるで、一晩かけて体の中を掃除する清掃チームがやって来るようなものです。そのため、毎晩少なくとも7〜9時間の睡眠を目標にしてみてください。もし、なかなか眠れない場合は、メラトニンを試してみることを恐れなくて大丈夫です。あまり知られていませんが、メラトニンは実は非常に強力な抗酸化物質でもあります。
♦戦略その5♦ 《温熱療法》
さて、5つ目の戦略であり、少し議論を呼ぶ内容なのが――「温熱療法(ヒートセラピー)」です。基本的に、汗をかくこと自体もオートファジーを高める働きがあります。これはとても理にかなっています。
というのも、サウナや熱いお風呂などで熱にさらされると、体は「ヒートショックプロテイン(熱ショックたんぱく質)」と呼ばれる物質を作り出すからです。これらのたんぱく質は、損傷した細胞を修復し、オートファジーをサポートする役割を担っています。では、なぜ温熱療法が「議論のある方法」なのでしょうか?
それは、「誰にでも向いているわけではない」からです。心血管系の疾患がある人や、低血圧の人は、熱によって体に余分な負担がかかるため、注意が必要なのです。また、温熱療法は代替療法の一種と見なされているため、大規模な研究がまだ十分に行われていません。そのため、多くの医師は、特にがん予防の目的では、積極的に勧めることに慎重なのです。とはいえ、小規模な研究では、とても興味深い効果が示され始めています。たとえば、定期的にサウナに入る人は、アルツハイマー病や認知症の発症率が低いという関連が報告されています。
これも納得できますよね。オートファジーは、これらの病気に関与する損傷した細胞を取り除くことが知られているからです。つまり、サウナや温かいお風呂でリラックスするための、ちょうどいい口実になるかもしれません。
では最後に、「極端な断食をせずにオートファジーを高める方法」を、簡単におさらいしましょう。
〜〜まとめ〜〜
*オートファジーを促進する食品を食べる
*時間制限付き食事を実践する
*短時間で効率の良い、少しきつめの運動を行う
*温熱療法を取り入れる
*夜は深く、質の高い睡眠をしっかりとる
あなたの体は、「常に自分自身を治し、健康でいようとしています。」
これらの戦略を使うことで、体が本来持っている回復力を、最大限に発揮できるよう手助けすることができるのです。
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…というわけで、断食シリーズはこれからも書いていきたいと思いますが、一旦ここでおしまいにします。
現在は選挙シーズンだということもあり、次回は「私が選挙に行かない理由」などを少し書きたいと思います。










